金価格を読むコラム
執筆/豊島逸夫さん
ワールド ゴールド カウンシル日韓地域代表
としま・いつお 1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒。三菱銀行(現東京三菱銀行)入行後、スイス銀行にて貴金属ディーラーとなる。“チューリッヒの小鬼”といわれた同行で南ア、ロシアなどから金を買い、アジアや中近東の実需家に金を売る仲介業務に従事。更にニューヨーク金市場にフロアートレーダーとして派遣され現場の経験を積む。その後東京金市場の創設期に参画。スイスのインゴットを日本の金流通市場の標準的地金とする。ディーラー引退後、ワールド ゴールドカウンシルに移り、非営利法人の立場から金の調査研究、啓蒙活動に従事。プロとしての経験をもとに、素人にもわかりやすく金相場の話を説く。日経本紙にもしばしばコメントが引用される金についての第一人者。
2010.03.18
国債の罠(trap)

今朝 NY CNBCで生中継していたので見ていた。

議員からの突っ込みで興味深かったこと。

“中国や日本は米国債保有を減らす兆しが見える。その穴を埋めるのが 民間金融機関だ。FRBなど中央銀行から超低金利政策によりタダ同然でカネ借りられる。それを米国債購入で運用すれば1%くらいは儲かる。キャリートレードと云えるだろう。国から借りたカネを 国に貸して利益を得る仕組みだ。しかし、中央銀行が利上げに踏み切れば このキャリートレードは成立しなくなる。そうなると 誰が 穴を埋めるのか?”


実は 日本の銀行も 同じ様なこと やっているわけだ。ゼロ金利同然に設定された預金を日本国債で運用する。ここでゼロ金利から利上げに転換すれば 忽ち 巨額の債券損が発生してしまい 銀行経営不安が生じる。だから 新型オペで資金供給を20兆円に倍増させる日銀は 将来的に 仮にデフレから脱却できた時点でも この超低金利政策から おいそれと転換など出来ない。市中銀行も日銀も国債の罠(trap)にはまって身動きとれないのだ。


話題は変わって、金価格の話。

ビジネスウイーク3月15日号に金価格予測記事が出ていた。

―ゴールドマンサックス 3か月 1235ドル、 12か月 1380ドル

―HSBC  今年のピーク1300ドルかもしれない(may be)

―ブルームバーグ調査 22名のアナリストのうちで15名が  新高値更新を予測。予測の中心値は 2010年で1300ドル。

―ジョージ ソロスは 金がバブルと言ったが 金ETF(SPDR ゴールド シェア)の保有を2009年第4四半期に152%も増やして 244万株も保有していることが SECへの情報開示で明らかになっている。彼が金買いを加速させてから 金価格は22%上昇した。


以上のような内容の記事である。

筆者のコメント。

国債の罠から抜け出せない限り 金市場への資金流入は続く。

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