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| 「ロードスター」のシフトレバー。ニュートラルでは垂直に立っている。正確にはドライバーにそう感じさせる角度で立っている |
マツダの「ロードスター」、それも6速手動変速機付きに乗る機会があれば、手のひらで確めていただきたいことがある。シフトレバーが動く軌跡だ。1速と2速を結ぶ線、3速と4速を結ぶ線、5速と6速を結ぶ線、この3本の線が直線で平行、そして等間隔だ。しかも、ニュートラルではシフトレバーが垂直に立っている。一見、当然なようだが、これがなかなか例がない。全部揃うのは世界初ではないか。
「ロードスター」で言えば、8月のフルモデルチェンジまで、2速と4速の間が近く、4速と6速の間が遠かった。また、中央の1本は直線だが、両側は「内に凸」の曲線だった。確かめるなら、むしろ先代の方が分かりやすいかもしれない。
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| 左は先代「ロードスター」のシフトの軌跡を誇張して描いたもの、右は新型「ロードスター」 |
平行、等間隔、垂直。たったこれだけのことで、操作する快感が全く違う。
▼外注さんには、わがまま言えんでしょう
マツダがこのレバーを実現するために払った努力は半端ではない。今まで外部から買っていた変速機を社内で作るという経営判断までした。
今、手動変速機のトレンドは全く逆、「内製から外注へ」だ。自動変速機に押されて生産台数が減り気味の手動変速機は、1社では生産ロットがまとまらず、専門メーカーから、あるいは競合他社から買うことが主流になりつつある。先代のロードスターでは6速手動変速機をアイシン・エーアイ(本社愛知県西尾市)から買っていた。
マツダはそれでは納得しなかった。外注の変速機では、わがままが言えない。「平行にしてくれんか、等間隔にしてくれんか」と要求しても、社外の人間に対しては遠慮がある。等間隔にならないのも、内に凸になるのも、構造上の事情がある。それをひっくり返すには、どうしてそれが必要なのか、という理由づけを要求される。ところが社内の人間になら、わがままが言える。「気持ちがええからじゃ」で押し切れる。
以前にも書いたことがあるが、スポーツカーというのは小さな商売である。ただし利益率は高く、魅力ある商売でもある。こんなわがままが通るのは、スポーツカーだけだろう。経営者だけでなく、設計をする当事者にとっても、スポーツカーは魅力ある商売なのである。
このリストは、次のエントリーを参照しています: そこまでするか「ロードスター」、快感シフトレバーを実現するわがまま:
トラックバック時刻: 2005年11月10日 11:12
» スポーツカー from 6 strings messing world
マツダのロードスターがいいらしい。
http://blog.nikkeibp.co.jp/nb/auto/BLOG/hamada/20051110-1849.... [続きを読む]
「気持ちがええからじゃ」とはさすが広島の会社。
それを通すというのもすごい。
広島県人として誇りに思います。
感性に訴えることを大きな拠り所にするスポーツカーにとって、「気持ちがええからじゃ」は立派な理由と思えますが、社外には通用しないのでしょうか?
ギヤの内製化をアイシン側から見たらどうなるのでしょうか? 本コラムの文脈で語る限り、アイシンにとっては「面倒な要求を出す客が居なくなって清々した」という理解になるのでしょうが、それが他の顧客からも捨てられるきっかけになりはしないのでしょうか?
そもそも6速手動変速機というスポーツカー用の部品ですから、ロードスターをきっかけに他社も追随する可能性があります。市場が「これからは平行・直線型だよね」となったとき、アイシンからはどんどん客が離れていくことになります。そう考えれば、アイシンにとって「面倒な要求だが、マツダの要求は受けるべきだ」という判断も有り得たように思われます。
結果を見る限り、アイシンは「平行・直線型が主流になることはない」と判断したように思われますが、実際のところはどうなのでしょうか?
近年、漢字を多く使ったわけのかからない難解な表現が多くなる中、「気持ちがええからじゃ」は的の中心をどんぴしゃ射抜いた感じで、すがすがしい感じがした。水泳の北島選手の「超気持ちいい」がいろいろと物議をかもし出したが、素直なストレートな表現であると思う。スポーツカーは気持ちよい仕組みを作り出す大小のパーツの積み上げで全体の気持ちよさを作り上げているので、気持ちよさという軸をぶらせなかったマツダはすばらしい。「変わらない軸をもてる者だからこそ変われる」と思うし、それがあったからこそ、内製から外製の流れを変えることが出来たのだと思う。車は重要な道具でもあるし、おもちゃでもある。少々高いが、庶民が持っていて違和感の無い、金持ちが持ちたがらないおもちゃがそれなりに売れる環境があると言う事は、日本にもまだ余裕があると言う事だろうか。
今朝(11月10日)の朝日新聞に「マツダロードスター、カー・
オブ・ザ・イヤーに」を読み、そして偶然にもこの記事を読
み、「成る程」と感じた次第。
この記事は受賞理由のほんの一部に過ぎないかも知れないが、
商品企画と技術陣の努力の一端を垣間見させてもらった次第。
商売に繋がる「こだわり」はモノづくりに携わる人間にとって大切である。
先代、先々代の例に倣えば、基本コンポーネントは15年は同じものを使うでしょうから、意外と元は取れるのでは?
先代の車は、感性とかいうような問題ではなく、極めて危険な車で、私はこの欠陥車で、危うくあの世行きのところでした。事故の内容は、一宮から飛騨高山へ向かう高速のちょうど6km地点にゆるい右カーブで、6速100kmで走行中、追い越しをするため、4速にシフトダウンしようとしたところ、標準のシートはホールド性が悪く、ほんの少し体が左に傾き、2速に入ってしまい、そのままスピン、壁に激突、哀れ私の愛車は廃車となりました。たぶん私と同じような事故がかなりの頻度で発生したために、今回の新車では、改良したのではないでしょうか?旧型車は、極めて危険な欠陥車いえるのではないでしょうか?
記事を読んで、違和感を感じたのですが、その違和感は、ZEDさんがすでに指摘されていたのでホッとしました。まだ、日本にはこういった記事に対し、まともな反応ができる人がいると知り、それが収穫でした。
メーカーの立場とサプライヤーの立場の両方の経験から言うと、サプライヤーはメーカーのわがままを聞かなければいけないものであるという関係でした。
メーカーの言うことが聞けないと仕事が無くなるから、そのわがままを何とかこないしていくのが、サプライヤーの宿命でした。
ですから、マツダ側の「社外にはわがままは言えない」という言葉には非常に違和感を感じます。
散々サプライヤーをいじめておいて、何を今更という感じです。
ただ、そんな中で共にいい関係というのは、お互いのいい方向を模索するように協業をするというのが理想なのではないでしょうか。お互いのいい点を生かし、シナジー効果を出すというのがベストな関係でしょう。
今回のマツダの決定は逆に言えばサプライヤーとの関係をうまく解決出来なかった結果ではないのでしょうか?