高い自動車税は不倫を減らすためなの?
2005年08月04日

  フレンチコンパクトカーのオーナーになって数カ月。男友達との会話にもクルマが話題に上ることが多くなりました。既にパパになっている同世代の男友達には、ミニバン保有者の比率が高い。私が愛車の自慢をしていると、「俺ももう1台クルマが欲しい」との声があちこちで上がります。家族の時間を紡いでくれるミニバンとは別に、純粋にクルマで走る楽しさを味わいたいと言うのです。本音はカッコいいスポーツカーでオンナの子にもてたいだけなのかもしれませんが…。魂胆はどうであれ、「だったら買えば?」と言うと、非難轟々でした。「どうやって維持していくんだ」というのがその理由のようです。

▼自動車だけがなぜか2重に払わされている

  それで気になってちょっと調べてみたら、いやはや驚きました。次から次へと腹の立つことばかり。

  最初に分かったのは、自動車に関係する税金が9種類もあること。国税あり、地方税あり。取得段階でかかるものあり、保有段階でかかるものあり、走行段階でかかるものあり、と体系そのものが複雑怪奇。さらに「?」は続きます。例えば自動車取得税。自動車取得時にその価格に対して課税されるものです。取得価格の5%という税額の高さはまぁ置くとしても、別途消費税の5%を支払うことは納得がいかない。200万円のクルマを買うと、10万円ではなく20万円を税金として支払うことになります。かくいう私も、消費税は計算済みだったのですが、取得税はノーケアでした。

  思いがけなく膨らんだ数字に思わず「何ですかっ!この金額は?」とディーラーの担当者相手に気色ばんだ経緯を思い出します。8万円のわんちゃんなら税金は8000円ではなく4000円。30万円のダイヤを買っても同じく3万円ではなく1万5000円。なのにどうして自動車だけが? そもそも平成元年の消費税導入時に、物品税や入場税など個別間接税は廃止されているはず。なぜ例外なのか全く理解できません。

▼「暫定」なのになぜ30年以上も続いているの?

  おかしなことはほかにも山ほどあるのですが、何より私の一番の驚きは自動車税の税率です。暫定税率がなんと30年以上も適用され続けている事実には愕然とします。「暫定」の意味が分かっているのでしょうか。自動車取得税は現行暫定税率が5%、本則税率が3%。重量税が前者で自動車の重量0.5トン当たり6,300円、後者で2,500円といった具合です。この暫定税率は更新されなければ平成20年が適用期限ですが、これまでもずるずると引き延ばされてきており、これも怪しい。

  今や自動車関連諸税の税収は、国の総税収の10%以上にも上り、消費税の税収額にも迫るほどです。となれば、分からなくてもいいんだと言わんばかりの税体系も、むしろ国にとっては都合が良いのかもしれません。しかしながら、税金とは国の根幹を支えるシステムなはず。そこにはきちんとした理念と分かりやすさ、公正さ、透明性があってしかるべきです。税金は必要です。でも自動車税の多くは、創設されてからあまりに時間が経ちすぎており、現状に見合わないものになっているのです。

▼高い高速道路の料金が経済を停滞させる

  そして高速道路の料金プール制。地方ロケが多いため、高速道路料金の高さにはいつも悩まされているのですが、そりゃいつまで経っても安くならないわけだと、妙な納得の仕方をしてしまいました。要するに、黒字の高速道路の黒字分を赤字の高速道路の維持管理費に使ったり、新しい道路財源に転用したりしているわけです。どんぶり勘定でお金を集めて、海のど真ん中に道路を整備する。黒字のはずの東名高速も無料になる日は永遠にやってこないでしょう。高速道路の料金がもっとリーズナブルであったら、経費削減のために深夜の一般道を大型トラックが爆走することはなくなるかもしれないし、もっとたくさんの人が高速道路に乗って、地方を訪ねる機会が増えるかもしれないのに。

  眺めているだけでも楽しい気分にさせてくれる愛車ですが、税金や高速代のことを思うと、ちょっと憂鬱になってしまいました。世のパパ達もこのような心境なのでしょう。でも、オンナの子にもてないのは奥様方にとってはいいことなのかな?

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コメント
投稿者 4ランナー : 2005年08月04日 07:34

自動車関連税制の問題は、実際に自動車を購入するようになって、初めて「取得税と消費税が自動車にかかっている」ことを知ることになるが、何故「取得税と消費税がかかる商品になってしまったのか」ということを国民が理解する術がないのが現実です。この記事を見た限りにおいては、自動車取得税5%と消費税5%が重複課税されていることを問題提起しているが、私は、「自動車取得税を残し、自動車への消費税を廃止する」か、「自動車取得税を廃止し、消費税のみとする」ように法令改正が必要と思いました。仮に、「消費税のみとした場合」においては、改正にあたっては国民のコンセンサス(実際日本の国民の半分以上が購入する可能性がある商品であることから、どうしても必要と考えます)を得られるような税制改正、例えば所得格差の拡大傾向の現実への対策として、「カタログ表記燃費が1㍑あたり10㎞以下の乗用車に課税するガスガスラータックス」及び「車両本体価格の上昇に応じて消費税率を上昇させる消費税の累進課税制度ーラグジャリータックス」の導入の方向性を考えていくことが必要に思います。現在の税制では、100万円の軽自動車を購入しても、1000万円の高額乗用車を購入しても消費税及び取得税税率は同じ、所得格差の元凶となっています。「自動車取得税」のみにする場合も同様の所得格差に対する国民への配慮が必要に思います。
 高速道路の料金が高いため、料金のかからない一般道路に深夜の一般道路を大型トラックが爆走してしまうような現実にも目を向けていかねばなりません。不景気のため、トラックを商売としている企業の経費節減策、競争の激化のための「大型トラックの爆走」の現実となってしまうのですが、私は、確かに高速道路そのものは、通行量の多い場所と少ない場所で通行車線数に差異がある(高速道路建設にあたっての経費節減の努力はしていると思います)現実がありますが、今後の道路公団民営化(2005年10月)にあたっては、「高速道路料金を引き下げられるような企業努力が必要」ではないかと私は思います。

投稿者 Michiko : 2005年08月04日 08:36

私も自動車をこよなく愛するドライバーです。
しかし、自動車関連税については、著者とは意見が異なります。
私がいくら好きでも、自動車は環境に負担を与えます。それだけに取得税や重量税など、他の商品に加えられていない税金を支払うのは仕方がないと思います。
加えて言えば、自動車に不可欠なガソリンにも多大な税金がかけられていますが、これも環境保護、資源不足の日本では仕方がありません。
それよりも、そうして集められた税金が環境保全に生かされているかどうかの方が大きな問題です。
それは、最後に挙げられていた高速道路料金の運用の問題ともつながっていきます。

投稿者 toshi-k : 2005年08月04日 09:10

自動車関係の税金の異常さは、ご指摘のとおりです。またガソリン税と軽油引取税についても、暫定でほとんど倍になっている、ということを付け加えておきます。特に軽油引取税は税率が高すぎるゆえに、密造による脱税を招いている、という状態です。ガソリン税と消費税の「課税した状態でさらに課税する」という問題もあります。
これらはすべて理屈に合わないのですが、日本の場合これで通ってしまう、というところが問題で、前記のガソリン税の問題でも、これで反乱(政権交代)が起きないのが不思議です。なぜか。
つまるところ、日本の有権者は、「頭が悪い(経済合理的行動ができない)」としか言いようがないでしょう。経済合理的な人間だったら、車関係の税金がこれだけ高ければ、乗らない人が増えて税収が下がるはずなのですが、まったくそんなことはなくて、特にガソリン税などは増え続けています。
各メーカーの努力のおかげで、実質的に世界で最も安価で高性能な車を買える、だから税金が高くてもなんとも思わない、としたら、本当に馬鹿です。われわれは。

投稿者 Rock Bridge : 2005年08月04日 09:26

「自動車だけがなぜか2重に払わされている」と文中のタイトルにありましたが、ガソリン税も基本税率の2倍の暫定税率(53.8円/リットル)が長年続いています。さらに消費税も上乗せで支払っています。2重に税金を払わされているのは何も自動車だけではないのです。要するに国民から批判を浴びないように、取れる業界からどんどん税金を取っていくというのが政治家と政府の方針なのです。その税金分は小売価格に反映されているわけですから、最終的には国民にツケをまわされているのです。

投稿者 snark : 2005年08月04日 11:24

かなり前ですが、普通自動車(いわゆる3ナンバー)の自動車税がだいぶ安く(8万円->5万円)なりましたね。また、異様に維持費の安い軽自動車というのもあります。昔はビート、カプチーノ、AZ-1 など趣味に走ったクルマが結構あったのですが、最近はコペンと R1 ぐらいでしょうか。「純粋にクルマで走る楽しさ」を味わえるクルマがほとんどなくなってしまったことの方が問題だと思います。
あと、かくれた維持費は駐車場代です。月一万円として、年12万円。これであきらめる人も多いのではないでしょうか?

投稿者 tancom : 2005年08月04日 12:08

「自動車にまつわる税金が高くてビックリした」。
 これが今回の著者の主文であるとともに、それ以上の内容を読み取ることはできませんでした。ジャーナリズムと呼ぶには中途半端な切り込みであり、エッセイと称するには洞察の面白味に欠けます。
 ここ数回の著者のコラムを拝読いたしましたが、日経ビジネスの読者の目に触れる文章としては、はなはだ浅薄な内容ではないでしょうか。次回作以降の奮闘を期待するとともに、このコラムの存在意義を今一度見直すべき、との思いを抱きました。

投稿者 magic_logic : 2005年08月04日 12:19

知られているようで、意外と知られていない話なので、こういった軽いノリで、提起する記事も貴重だと思います。

ただ、今回の記事タイトルは、ちょっとワルノリし過ぎというか、センスないというか。 
キャッチーですが、自動車関連税と、車のプレステージ性を絡めるのは、さすがに無理があると思う。

投稿者 HonestJohn : 2005年08月04日 14:13

全く、ごもっともです。税金は必要と思いますが、昨今TVなどで報道されているように役人の無駄遣いのために払っているのではない筈です。ガソリンはもっとひどいと思います。ガソリン本体の価格にガゾリン税がかかり、その本体とガソリン税の合計に消費税がかかるという全くおかしな二重課税というものが起きています。全くふざけるなという感じです。

投稿者 よ : 2005年08月04日 15:37

自動車関連の税金や高速道路料金には、課税方法や料金設定に疑問はあるものの、環境負荷を考えると、現状程度の負担はやむを得ないようにも思う。
私の感じる問題は;
1.東名や名神などの儲かっている高速道路はトラックであふれ、儲かっていない高速道路の通るエリアではトラックは下道を走っているという現実に象徴される、現行の高速道路建設政策における大きな欠陥。つまり、本来コストを抑えてバイパス道路を建設するなどで解決すべき問題を、高速道路建設にすりかえている。
2.高い税金や高速道路料金を徴収されても、それが、世界でも最も先進的で効率的な環境対策に活用されているとか、あるいは国の借金の返済に大きく貢献しているのであれば、負担のしがいもあるというものである。しかし、現実は、全く非効率な使い方をされているとしか思えない。私は、金の集め方より、その使い方に大きな怒りを感じる。

という2点です。

ところで、2台目のスポーツカーが持てない最大の理由は駐車場だと思いますよ、駐車場代も維持地の一部かもしれませんが。税金が最大の問題なら、コペンという素晴らしいクルマを紹介してあげればいいのでは?

投稿者 はにゃりん : 2005年08月06日 12:42

税に関するコメントは殆どが
「高い!から安くしろ。」
の論調です。残念ながらあなたもうそうでした。
あなたのおっしゃることには認識の低さからくる矛盾があります。

矛盾1
 高速はイツ無料になるのか?無料になれば地方に出向く人が多くなるのに。

反駁
 地方に行くための高速を建設中なのです。あなたのいう地方とは、「地方都市」なのですか?
 無料になれば、地方に出向く人が多くなるという論理の組み立ては弱いです。

次は税に対する理解の低さです。
貴女の主張は結局「安くなるように行政(公務員)が税制改正をせよ。」
ということ。
日本の制度を理解してますか?
法に基づく制度改正はすべて国会・議会を経ることになってます。
つまり、われわれ国民が議員を選出する際に配慮すれば事足ります。
それをディーラーにあたるとは・・・。

最後に一言。
国家の制度に不満がある場合、間接民主制を採用している日本では議員選出、つまり選挙の際に反映してください。
不満を言ってるだけでは何も解決しません。

投稿者 ゆも : 2005年08月15日 20:14

20代前半独身で同居家族も居ない輩に何故ミニバンなの?と訊くと「沢山乗れるほうが友達沢山居そうじゃないですか」と真顔で答えられた。彼らの世代では2シータースポーツ=友達居ない奴なんだそうだ。同じ20代女性からはスポーツタイプ=生活観念の欠落=将来の貧困、逆にミニバン=安定した生活と写るらしい。また流線型兵器のSF物で育った我々と違い、今のSFは舞台が宇宙空間なので空気抵抗を無視した乗物が出てくる。ミニバンにエアロパーツ付けてどうするの?と云えば「ガンダムみたいでしょう」とくる。どうやらオジサンの不倫は家にあるミニバンでOKということらしい(チャイルドシートは家に置いていくように)。

ちなみに独身貴族を地で行く私はコラムのとおり沢山の諸税を払いながらスポーツタイプとワゴン車の二台を使い分けている(笑)。

投稿者 OMA同盟参上 : 2005年09月03日 14:59

ちょっと視点をずらしてみて、1つのトピックを紹介します。

維持費が高くて、自分用のスポーツカーがもてない。
その現実に対する答えのひとつが、オヤジのバイクブームです。土日の朝の西湘バイパスのSAに行くと、とんでもない数の大型、あるいは外国車が列をなしています。
ところが、ライダーの見た目が世間的イメージと比べても妙に高い。あたりまえで、値段を考えると未成年に買える値段じゃない。実際、大型免許取得人口は非常に高年齢化しているそうです。
また、最近の中型、大型スクーターのブームにも、その辺の事情があるようです。

皆さんもどうでしょう?不倫には向きませんが、プライベートカーとしてのバイク、意外に便利ですよ。


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