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投稿日 2005年01月24日
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日本と米国の起業環境の違い(2)

前回、どちらかというと日米両者の性質の違いような、「日本は融資先行型ゆえに創業者の金銭リスクは存在するが、自由な経営が可能です的」なことを書いたのですが、日本でも最近はVCからのみ資金調達をして事業運営している会社も多く存在すると思う。
でも何故かそういった「金銭的な個人リスク」を創業者が背負わない経営形態であっても、創業者における自由の幅は米国のそれに比べて圧倒的に広いと感じさせられる。

私が知っている日本のスタートアップ企業は、1社を除いて全社が「創業社長」であり、その除かれた1社に関しても創業者自らが「自分は技術の仕事に特化したい」という理由により、自ら業界の社長経験者を引っ張ってきた、というものであったりする。
それに対して米国のスタートアップ企業の場合は、2社を除いて全て創業者以外のCEOが就任している。
ちなみにその内の1社というのは本当に最近起業したばかりで、投資のシリーズが始まれば今後CEOは交代するだろう、という創業者の予測が立てられており、もう1社に関しては、創業者自体が今までもCEOの経験とIPOの経験を持つ猛者であったりするので、今後もCEOを交代することはないだろう。

両者を比較して明らかなのは、日本の場合はいずれにせよ創業者が社長に就任し、ほぼ全ての経営面においてハンドリングを行う、といういわば「経営面での総合職」的な意味合いを創業と同時に持ってしまう運命であるのに対して、米国の場合は資金投下と同時にVCなどが各々の分野のスペシャリストを連れてきて組織変更を行う点だろう。
米国の場合、たとえ創業者であったとしても、資金調達能力が無いということであれば、そのままCEOに就任することはほとんどあり得ず、エンジニアであればCTO、ビジネスパーソンであれば何かのバイス・プレジデント職に就任するというパターンが多い。

米国でこのような専門職化が進んだ背景は、単にスタートアップ企業を急成長させたい、という理由からに他ならない。
企業を急成長させるには、創業者が専門外のことで悶々と悩んだりしているよりも、各々の分野のエキスパートをとっとと連れてきて、個人の強みを素早く企業の力へ反映させるしかない。
日本人の感覚では合理的過ぎて拒否反応を起こす人もいるかも知れないが、「できないことはできる人にやってもらえればいいじゃん。問題解決も早いし、君は君の強い所だけに集中できるよ。」ということになる。結果、個人の強みが分からないと配置のしようがないため、米国ではよく「君の強みは何なのさ?」といったような問答が常に行われる。
米国、特にシリコンバレー周辺には現在過去合わせて会社を創業した経験のある人は非常に多い。そして、多いがゆえに起業家はチャレンジャーとして褒め称えられる部分はあるものの、日本のように特別視される存在ではなく、「起業家」という一つの職種として捉えられている面がある。つまり日本に比べるとまだ軽い感覚で起業を意識することができる、ということであり、何か新しいことを考えた者の表現方法の一つとして、「起業」という選択肢が違和感なく考えられる環境ということになる。

日本を考えてみると、ここ最近は変わってきてはいるものの、まだ基本的に起業する人自体が少数派なので、起業家は何かちょっと偉い存在として位置づけられている部分も大きく、そして起業家自身も創業会社を「俺のもの」と捉える向きが多い。(人によっては、一国一城の主が云々と言う人もいる)それゆえ創業者の持ち株比率は非常に大きく、また周辺も立ち上がった人を尊重し、できるだけ側面支援で創業者の行きたい方向へ行ってもらうのがよし、その代わり責任も創業者個人が被るスタイルだけどね。と考えている。
そして、これらのスタイルが存在する背景には、先に述べたように起業家自体が少数派なため、起業家特別視の思考と融資先行型経営の名残、つまり個人責任(保証)論が今でも混在しているからではないかと思う。証拠はないけど。

(1)で述べたように、どちらが優秀かということではなく、ほとんどスタイルの問題であり、私個人としては起業するならば、やはり顧客に対する責任や従業員に対する責任も生じることから、いずれにせよ何らかの覚悟を決めて望まなければならない分、創業者にも相応の責任もあるだろう、と思う反面、素早く組織化することで勝つためのスピードを増し、創業者の責任を軽くすることが可能なシステムも構築しなければ、誰かが何か新しいことを考えた際に、「起業する」という選択肢が考えられない世界ってどうなの?とも思うのだ。

投稿者 nakagawa 03:36
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シリコンバレーでの起業経験のある若手エンジニア,中川裕人氏菅沼 究氏が,米国での成功を目指してシリコンバレーとロサンゼルスでそれぞれ会社の立ち上げに再挑戦する様子をリアルタイムでお伝えします。「いつかは起業を」と考えるエンジニアを元気付けるサイトを目指します。(Tech-On!)

プロフィール

中川 裕人氏

中川 裕人 氏(プロフィール)
1971年12月 北海道生まれ


菅沼 究氏

菅沼 究 氏プロフィール
1973年生まれ

2008年07月
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