2011年3月15日 22:01

陸の孤島での震災、わたしの場合(1)

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3月11日は、リテールテックというイベントの最終日だった。
開催地はお台場近くの、東京国際展示場駅前だ。
私は14時過ぎになって社を出ると、新橋駅からゆりかもめ線に乗った。

 train.jpg 

この日はとても不思議な日で、ふだん、夫と私は仕事の話をあまりしないのだが、
偶然話したら、夫もちょうど行くと言う。だったら合流したい!といったら嫌な顔をされた。

「時間が折り合うかわからないし・・・」と言うので、じゃあ当日は会えたら会おうと、
ゆるい約束を交わした。

   imglanding.jpg 

結果、その会話はとても有効なものとなった。
駅のホームに降りた途端、震災にあうなんていったい誰が想像しただろう・・・!

 

地面が激しく揺れ、傍らにあった電車(ゆりかもめ)が、大波のごとく揺れたとき、
死ぬかもしれない、と初めて思った。とっさにお腹を抱えてしゃがみこんだが、
駅のホームはガラス天井だ。これが割れたら、たぶん、死ぬ。

 

幸い、地震は止んだ。

ホームにいた人々が一斉に改札口に走り出す。
私も外に出て落下物がない場所へ移動すると、携帯を鳴らし続けた。
震災の時のリアル写真はここをクリック

 

つながらなくて、何度も何度もかけて、やっとつながったとき、
彼は国際展示場内にいた。大勢の人ごみの中で彼を発見した時は泣くよりも先に、
会えたことの方がうれしくて、思わず、笑顔を見せてしまった。

 

そんな私に、彼は開口一番、誇らしげにこう言った。

 

「あのさ、俺、偉いと思わない?
一番最初に、桜子に電話したよ。
つながらなかったけど、会社に電話する前に、桜子に電話したんだよ」

 

何を言ってるのか、分からなかった。次第に理解でき、殴ろうかと思った。

 

「そんなの、あたりまえだよ!私だって最初に電話した!!!」

 

私などは何の迷いもなかったのに、彼はそういう心境だったのか。
ずっこける気分だった。

 

彼はのんきに笑い返していたが、私は内心、恨めしかった。

(つづく)

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Profile

エッセイスト・インタビュアー

桜子

東京・杉並区出身。通信会社に勤務する傍ら、メルマガを書き始め、恐れを知らない素人の強みでインタビューを開始。思いがけず、錚々たる顔ぶれのリーダーが協力してくれ、ブログ開設、アスキーjpへの連載と続く。ふと気づけば、エッセイストとインタビュアーの草鞋をはく。社業以外に東奔西走する自分を温かく見守ってくれる読者、取引先、会社に支えられながら、運良く今日まで辿り着いた、人気ブロガー。
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